子どもとYouTube・動画——「やめなさい!」の前に考えたい、動画との付き合い方

「気づいたら1時間、ずっとYouTubeを見ている」「『あと1本だけ』が終わらない」——動画をめぐる攻防は、いまや多くのご家庭の日常風景だと思います。頭ごなしに取り上げれば泣かれ、放っておけば際限がない。今回は、「やめなさい!」と言う前に知っておきたい背景と、動画との付き合い方の選択肢を整理してみます。

動画は、子どものネット利用の「主役」

こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学生(10歳以上)の97.2%がインターネットを利用しており、動画視聴はその代表的な使い方の一つです。スマートフォンだけでなく、テレビ(64.2%)やゲーム機(66.5%)でも動画を見られる時代ですから、「動画に触れさせない」のはかなり難しい環境といえます。

そもそも、なぜ子どもはあんなに動画に夢中になるのでしょうか。多くの動画サービスは、1本見終わると次のおすすめが自動的に再生される仕組みになっています。「区切り」が来ないように設計されたものを、子どもが自分の意思だけで断ち切るのは大人が思う以上に難しい——まずここを押さえておくと、「うちの子は意志が弱い」と責めずにすみます。

幼いお子さんについては、目安があります

未就学児については、WHO(世界保健機関)が2019年のガイドラインで、2歳未満にはスクリーンタイムを推奨せず、2〜4歳は1日1時間未満・少ないほど良い、という目安を示しています。日本小児科医会も「スマホに子守りをさせないで!」という啓発活動を行ってきました。忙しい日々の中で動画に頼りたくなる場面は誰にでもありますから、「絶対だめ」ではなく「頼りすぎない」くらいの受け止め方が現実的かもしれません。気になることがあれば、かかりつけ医や地域の相談窓口へどうぞ。

「見せない」か「一緒に見る」か——二つの方針

一方には、「見せない・遠ざける」方針があります

ルールで視聴を制限し、動画以外の遊びの時間を確保するやり方です。生活リズムや睡眠を守りやすく、特に低学年までは分かりやすい方針です。ただ、禁止一辺倒だと、友達の話題についていけなかったり、親の見ていないところでの視聴を招いたりする可能性も指摘されます。

他方には、「一緒に見る・話題にする」方針があります

子どもが何を見ているかを親も知り、「それのどこが面白いの?」と会話の材料にするやり方です。動画の内容を親子で話せる関係があれば、不適切な内容に出会ったときにも相談してもらいやすい、という考え方です。ただし、親の時間と根気が要ります。

実際には、年齢や状況に応じてこの二つを行き来することになるのではないでしょうか。大事なのは方針そのものより、「動画をめぐって親子が敵対しない」ことかもしれません。

「見る側」から「作る側」へ、という第三の道

もう一つ、視点を変える選択肢があります。動画やゲームが好きな子は、裏を返せば「映像や仕掛けで人を楽しませるもの」への感度が高い子です。その興味を、Scratchでアニメーションを作る、ゲームを自作する、ロボットを動かす——といった「作る側」の体験につなげてみると、受け身だった画面時間が、考えて手を動かす時間に変わることがあります。「あんなに見ていたのに、作り始めたら見る時間が減った」という変化は、教室でもよく見かける光景です(もちろん、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません)。

まとめ——正解は、お子さんの中にあります

動画との付き合い方に、万能の正解はありません。見せない、一緒に見る、作る側に回す——選択肢を知ったうえで、わが子の反応を見ながら調整していくしかない、というのが正直なところだと思います。「作る側」の顔をした瞬間のわが子を見てみたい方は、一度体験にいらしてください。

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参考・出典

※本記事は公開時点の公的資料・調査等をもとに作成しています。お子さんの健康・発達に関するご心配は、かかりつけ医や専門機関にご相談ください。

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